【毒舌独女】惑わされるな!『美味しんぼ』の福島の真実は存在しない
小学館発刊の週刊ビッグコミックスピリッツがよく売れている。
『美味しんぼ』で焚きつけた炎上商法は、大成功である。
さて、今週号も『美味しんぼ』は飛ばしていた。
震災瓦礫を受け入れた大阪市でも健康被害が出ているだの、福島は取り返しのつかないまでに汚染されているだの等、香ばしい発言のオンパレード。
これらの発言全てに、反論は可能だ。
だが、もっと判りやすいエピソードの紹介を、今回、私はしようと思う。
福島県動物救護本部という団体をご存知だろうか。
震災後に設立され、被災したペットを保護収容してきた。
ここに私は電話取材を試みる。
私が福島県動物救護本部に取材を行った理由は簡単。
動物の方が人間よりも、放射線の影響が早く出るからだ。
小型犬と中型犬、猫の場合、1年が人間でいう4年相当。
現在、震災から3年が経過しているので、犬や猫にとって、人間なら12年が過ぎている。
もし、『美味しんぼ』が言うように、粘膜の異常やら何やらがあるのであれば、先ず動物に出ている筈なのである。
このことを担当の福島県獣医師会常務理事・島崎昌三さんに伝えると「ふふ」と少し笑われてから、以下の回答をくださった。
「今、私ども福島県動物救護本部は、原発半径20km以内、警戒区域(立ち入り禁止区域)内で保護した犬と猫を管理しておりますが、放射能の影響が出ていると思われる動物は、現在まで一頭もいません。詳細に分析をしているわけではありませんが」
更に、付け加えて、
「私は避難者と接する機会がありますが、私の周囲で、鼻血や気だるさを訴える人は、一人もいませんよ」と仰られた。
やはり、『美味しんぼ』や「放射脳」さん達の言う健康被害は、現地では見られない模様。
ちなみに、福島県動物救護本部は、平成24年(2012年)にアジア獣医師会連合(FAVA)からも視察を受ける程、注目されている団体である。
(参考:日本獣医師会、会議報告・FAVA、33rd FAVA Council Meeting、2012.04.02. )
なので、ここが情報の隠避を行っていたら、アジア獣医師会連合が黙ってはいない。
それだけに、島崎さんの発言は、高い信憑性がある。
一方、「福島に住んではいけない」と唱え、作中に登場した福島大学の荒木田岳准教授は、科学者でも医者でも、獣医師でもない。歴史学者兼、行政学者だ。
つまり、科学的見地から、「福島に住んではいけない」としているのではない。
もう一人、松井英介医師が作中でコメントを出しているが、肩書きは「岐阜環境医学研究所所長」とあっても、実態は普通の診療所。充実した設備で研究をしているとは、到底考えられない。
これらから判るのは、『美味しんぼ』原作者の雁屋哲は、まともな科学者に取材をしていないということだ。
こんなもので、福島の真実を語ろうだなんて、ちゃんちゃら可笑しい。
キチンと科学者のコメントを取ってきてから、「真実」とやらを広めてもらいたい。
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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