【毒舌独女】お見合いサイトは本当に良い男と出逢えるのか!?その参
*前回までのあらすじ*
ステキな出会いを求めてお見合いサイトに登録したのに、花鱗さんのもとに届くのはクソみたいな交際申し込みばかりでした。
私の予想では、お見合いサイトでのステキな出会いはゼロ。
シリーズを3回で終了にして、今度はお見合いパーティシリーズに突入予定だった。
オマエら、済まん。
お見合いパーティシリーズは、しばらくお預けだ。
花鱗さん、彼氏が出来ました。
出会いはお見合いサイト。ふひふひ
お相手は、髪の毛も幸も薄い41歳O型バツ1、
似ている有名人はコボちゃん。
私が知り得る限りで、最も幸福から遠い人。
チャレンジャーな私は考えた。
この人の人生をひっくり返せたら、幸せ教の教祖になれるんじゃないかって。
で、お付き合いをすることになりましたとさ。
その後、とんでもないワケ有りだと発覚。
こんなワケがある人は、婚活をしちゃダメだよー。
が、ケンカ好きの私は考えた。
このワケを数年以内に解決に導けたら、ミナミの帝王になれるんじゃないかって。
で、ワケ有りにも目をつぶることにした。
コボさん(コボちゃんに似ているから、こう呼ぶ)は、驚いた。
ワケを告げた女は全員逃げていると。
唯一、豆豆(ドウドウ)ちゃん以外は。
豆豆ちゃんとは、お見合いサイトに登録している女性。
24歳、結構可愛い。
名前からも判るように、中国人。
お見合いサイトには中国人女性が多く登録していて、
結婚によるジャパニーズドリームを狙っている。
恐らく、豆豆ちゃんもその一人。
コボさんはジャパニーズドリームなんてコトは知らない。
外国の女の子と友だちになれたら良いなぁと軽い気持ちで、交際申し込みをした。
直ぐOK返事がきて、2~3日は自己紹介メッセージのやり取り。
4日目、届いたメッセージに、コボさんは腰を抜かした。
「結婚してください。書類の手続きは全部私がします」
いやいや、
まだ会ったこともないのに、それは早いでしょ、とコボさんが切り返す。
すると、
「私のお母さんが、コボさんは良い人だと言っています」
と返ってきた。
それならばと、コボさんはワケ有りのワケを伝える。
これで、諦めるであろう。
そしたら、
「私が一生、コボさんの支えになります」
と優しい言葉が。
コボさん、少しぐらついた。
渡航費がいくら掛かるか調べた。20万円ぐらいだった。
言わなきゃ良いのに、調べたことを伝えると、今度は、いつ来るのですか?
攻撃が始まる。
あまりにも急かすので理由を尋ねると、
「私のお父さんが、余命幾ばくもありません。
私の花嫁姿を見せてあげたいのです」
と、今度はお涙頂戴作戦を仕掛けてきた。
中国人のジャパニーズドリームは、一族の幸せに繋がっているので、向こうは必死だ。
しきりに中国に来るように催促するのは、外国である日本への渡航許可が下りない為だと思われる。
中国は民主化が進んでいるようでも、やっぱり共産国家。
一部の特権階級と富裕層しか、海外旅行の許可は下りない。
一般の中国人が海外に出られる方法は、国際結婚が最も手っ取り早い。
一度、結婚をしてしまえば、自由に相手の国と中国を行き来出来るようになる。
これは、親族も含む。かなり大きな特権。
豆豆ちゃんの話を聞き、私はコボさんに言った。
「結婚すれば良かったやん。そうしたら、皆ハッピー」
コボさんはブンブンと首を横に振り続けた。
そんなに嫌なのか…。
こんな感じでコボさんが中国に渡るのを渋ったので、豆豆ちゃんは業を煮やし、別れを告げてきた。
「残念です。幸せになってください」
最後の言葉も優しかった。
出会いから別れまで、約2週間。
短期決戦なのが、ネットならではだね。
その後、コボさんはワケ有りのワケを話す度に、女に逃げられまくった。
逃げずに立ち向かってきたのが、私。
それだけ私は貴重な人物なのだから、別れるまで大事にしてくれよな。
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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