【毒舌独女】なでしこジャパンの国民栄誉賞に疑問符
3月11日以降、明るい話題は乏しかった。
何となく、明るい話題を持ち出してはいけない雰囲気もあった。
死者・行方不明者が約3万人も出たのだから、国民全員が喪に服しましょう、という感じ。
復興の目処は立っているのか、立っていないのか不鮮明。
今もって、福島第一原発問題も解決していない。
国民は陰鬱な日々を過ごしていた。
そこに光が差し込む。
日本女子サッカー、なでしこジャパンがFIFAワールドカップで初優勝。
日本中が歓喜に沸いた。
本当に、久々の明るく、体の底から元気が湧き出るニュースだった。
それは認める。
サッカーに思い入れの無い私でさえも、感動した。
しかし、国民栄誉賞となると、話は別だ。
優勝した翌日か、翌々日から、「彼女らに国民栄誉賞を!」という声が、内閣で持ち上がっていたようだが、私は反対。
今は受賞云々よりも、オリンピック予選に向け、練習に励んで欲しい。
なのに、8月1日、正式に授与が決定された。
国民栄誉賞とは、広く国民に愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な功績があった方に対して、その栄誉を讃えることを目的とした、内閣総理大臣表彰の一つ。
確かに、なでしこジャパンは明るい希望を与えてくれた存在ではある。
が、過去の受賞者を見ると、彼女らにこの賞を与えるのは、早過ぎるように思える。
例えば、女子の女王、森光子サマは89歳で授与された。
生涯を女優という職業に捧げ、ようやく貰えた賞だ。
一方、なでしこジャパンの平均年齢は25.63歳。若い。
これからも活躍出来る年齢だ。
ワールドカップ優勝より大きな感動を、国民に与えられる可能性がある。
反対に考えると、国民を超ガッカリさせる危険性も秘めている。
せめて、オリンピック予選を通過してからの方が良かったのでは。
これで予選敗退となったら、なでしこジャパンは勿論のこと、授与した内閣も赤っ恥。
まぁ、元々、恥を晒し続けている菅内閣。
どうとでもなれと、ヤケクソになっているのかな。
人気急上昇のなでしこジャパンの人気にあやかろうという魂胆がミエミエ。
あー、強気の外交が出来ない分、なでしこジャパンに頑張ってもらおうってコトかしら。
サッカーなら、明確な勝敗がつくので、特定の国から「苦情」が来ることは無い。
大体ね、自民党議員が竹島関連で韓国に視察に行って、入国拒否された次の日に【国民栄誉賞】ってのが、とんでもなく変。
日本の国会議員が国交のある国に入国を拒否されたなんて、大問題。
この問題を解決させないまま、なでしこジャパンに国民栄誉賞を与えることだけ発表するのは、不自然だ。
何かチカラが働いて、入国拒否問題から目を背けさせようとしているように感じられる。
「ほらほら、明るい話題だよー」と提灯を持って、国民を夜のアブや蛾のように誘導しているのでは。
これにホイホイ付いて行く程、国民はバカじゃないと信じている。
けれど、情報を発信するマスコミの体制が、菅内閣と同じぐらいヤバい。
韓国入国拒否問題を取り上げたニュースは、「いつものコト」のような論調。
議員を殺すとまで言い、ご丁寧に棺おけまで用意している韓国国民を異常と報道しない。
同じことを日本国民がしたら、大騒動になるのに。
何かおかしい。
なでしこジャパンの国民栄誉賞は、マズいことを隠す弾幕にされてやしないか。
そう勘繰りたくなる程、内閣が解決すべきことは多く、マスコミが報道すべきことも多い。
明るい話題だからオールオッケーというワケにはいかないと、国民はより一層、鋭く目を光らせるべきだと思う。
私は、なでしこジャパンの国民栄誉賞を、もろ手を挙げて祝福は出来ない。
授与式は18日に首相官邸で行われる。
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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