【毒舌独女】島田紳助の引退は弾幕だ
日本のトップ、内閣総理大臣が変わる。
震災後から幾度も囁かれていたが、今度こそ、本当に変わる。
これは重大ニュースだ。
連日、トップで報道すべき。
なのに、8月23日晩より、テレビ画面は一変。
「島田紳助、引退!」がトップ、もしくはその次に報道されるようになった。
おいおい、国の一大事と、たった一人のタレントの引退、どっちが大事なの?
まぁ、テレビ局にしてみたら、これまで視聴率を稼いでくれていたタレント引退の方が大事なんだろうね。
これが、日本のマスメディア。
さて、島田紳助の引退。
彼と指定暴力団山口組と関わりがあるよ、と8月中旬に所属事務所の吉本興業にチクリが入り、本人も認めた為、急遽引退という運びとなった。
では、このチクリは誰が入れたのか。
引退会見では語られなかったが、十中八九、警察。
他に誰が居るの?
一般人や他のタレントが垂れ込むメリットは無い。
今、警察は、威信をかけて山口組潰しに入っている。
かなり前から、頑張ってるよ。
山口組潰しの一つに、2007年6月の元タレント・羽賀研二の恐喝詐欺未遂事件がある。
羽賀研二逮捕は前哨戦で、ここから大物を釣り上げようと。
実は、この件で、吉本のあるベテランタレントが芋づる逮捕という噂があった。
どこで聞いたかは失念。
誰なんだろうなー、と軽くウキウキしていたら、2007年8月6日に小室哲哉逮捕。
うはっ!とは思ったが、何か拍子抜け。
確かに、吉本に所属していたけれど、別ジャンル。
本ボシは誰なんだよー、とヤキモキしている内に、そんなコト、忘れていた。
忘れて久しい頃に、島田紳助の引退。
その影には、羽賀研二と共に逮捕された、元プロボクシング王者・渡辺二郎が。
島田紳助と山口組を結びつけた、張本人だ。
島田紳助は彼が暴力団組員だと認識していなかったようだが、渡辺二郎はバリバリ山口組系のヤ印。
パッと見ただけで、あー、と納得する程、バリバリ。
前科も立派。
これで、何となく、2007年に流れていた噂に、私の中で決着が付いた。
現在、問題になっているメール云々は、渡辺二郎逮捕時に発見されたモノ。
今になって出てくるのは、少々、不可解ではある。
不可解ではあるが、絶妙。
大仕事である24時間テレビの司会を勤め上げた直後であり、9月からはテレビの番組編成が行われる。
このタイミングを逃したら、もっと吉本やテレビ局は被害を受けていた。
更に、国民の民主党代表選挙への感心も薄れた。
また、高速増殖炉「もんじゅ」の廃止視野を論議していることも消えた。
正に、絶妙。
絶妙過ぎて、怖いわ。
どれだけ、私たちは情報コントロールを受けているのだろうか。
確かに、島田紳助引退は大ニュースだ。
今までに無いスタイルの司会者として、お茶の間を沸かしてきた人だ。
話術をメインとした「芸」を見せてきた。
だが、その裏に隠れているニュースこそ、もっと重要な場合だってある。
ここ数日の流れが、そうじゃないか。
テレビで「紳助さん、紳助さーん」とやっている裏で、私たちが知らない法案が通ったりするかも知れない。
島田紳助引退は、弾幕だと捉えた方が良いように思える。
ニュースを疑え。
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ちなみに、私と暴力団の接点は無い。
金の無い芸人に、暴力団は近付いてくれやしないよー。
逆に、お金になりそうな芸人・芸能人は、困った時、助けてくれる「パイプ役」が現れるみたいだね。
渡辺二郎のように。
島田紳助と山口組の黒い関係は、氷山の一角。
興行と暴力団は、長い間、持ちつ持たれつの関係で現在に至る。
そして、政治と暴力団の関係も、見えていないだけで、必ず有る。
私が島田紳助の引退が弾幕だと思うのは、この点が大きい。
政界が混乱すると、大物芸能人が不祥事を起こすのは、何故だろう。
ニュースを疑え。
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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