【毒舌独女】Yahoo!知恵袋は便利だな
            便利だな、便利だな。 
Yahoo!知恵袋は便利だな。 
何でも解決してくれる。 
高齢化社会なのに、おばあちゃんの知恵袋は必要なくなっちゃった。 
あ、おばあちゃんでは、京大の入試問題は解決出来ないか。 
やっぱり、Yahoo!知恵袋は必要なんだ。 
入試問題を解決してもらった少年は、無事に京大合格なったかな。 
その前に逮捕されちゃったけど。 
いやあ、本気でカンニングにYahoo!知恵袋を使っているとは思ってもみなかったね。 
多くの知識人はしたり顔で、「犯人は複数、愉快犯でしょう」なんて言っていたのに、ふたを開けたら単独犯。わはは 
しかも、「犯人は携帯電話のカメラで入試問題を撮影し云々」と分析していたのに、自供による投稿方法は机の下で高速ブラインドタッチ。ぶはは 
携帯電話を扱い慣れていないオジサン達では思いつかなかった方法で、投稿していた。 
投稿者のaicezukiくん、逃げおおせたらネ申になれたのに、逮捕されちゃったのが残念。 
謎は謎のままにしておく方が良い時もあるのにね。 
本当に、今回の入試事件は、投稿方法など謎にしておくべきだった。 
大学関係者などには通達は出しても、公にするべきではなかった。 
必ず、模倣犯が出現する。 
入試会場に、いくら携帯電話の持ち込みを制限したとしても、モバイルやネットに関しての知識は、大学関係者よりヤングの方が上。 
知識だけでなく、使い方、特に悪用法を編み出す力があるのも、ヤング。 
なんせ、入試に落ちない為に死に物狂い。 
努力を否定される、不合格。 
これを何度も突きつけられてきたら、危うい橋も渡りたくもなる。 
人格を否定されているワケではないのに、どうしても「自分は要らない人間」だと思ってしまう。 
浪人生の精神状態が不安定になるのは、これがあるからだ。 
そこに漬け込んだカンニング商法が大流行しているのが、お隣の中華人民共和国。 
予備校にかけるお金とほぼ同額のハイテク!カンニンググッツが大人気。 
まぁ、アキバで揃えられるブツで作られるものだけど。 
そのような物であっても、受かりたいと買ってしまうのが、受験生であり、その親だ。 
パクリが得意な中国は、こういう分野でも力を発揮しているんだね。 
スゴイなー。 
すごいけれど、私は使いたくない。 
堂々と試験を受け、自分の実力で突破したい。 
突破が叶わなければ、実力が足らなかったのだと、更に努力を重ねる。 
それか、ご縁が無かったと諦める。 
最終的には、何でもご縁よ。 
今までも、どこか繋がりのある所に、私は納まっている。 
評定平均が足りないと蹴られた大学でも、講談師になってから、その大学で講師をしていた。 
不思議。 
でも、これがご縁。 
私は幼い頃から、両親や祖父母から、そう教えられてきた。 
今回、逮捕されたaicezukiくんには、そう教えてくれる人はいなかったと察する。 
おばあちゃんの知恵袋なら、ご縁のある所に合格するよ、と教えてもらえただろうに。 
彼が知恵袋に求めていたのは、試験の解答だけじゃない。 
自分を認めてくれる人も求めていたように感じる。 
そうでなければ、何度も知恵袋に投稿はしないだろう。 
人との繋がりを求めているからこそ、ネットの世界で叫びを上げた。 
誰か助けて。 
誰か認めて。 
人間関係が希薄なヤングの典型例。 
今のヤングは、優しくお利口さんである反動か、本心を上手く伝える術を知らない。 
 本心が伝えられないから、陰湿な虐めや引きこもり、自殺で声を上げる。 
少年犯罪が起きる度に胸が痛む。 
私たちは、彼らを「イマドキの子」や「平成生まれ」と突き放して見るのではなく、もっと理解すべきだ。 
理解を示し、まだまだ至らない彼らを導くべきだ。 
私たちも、ほんの十数年前までは「イマドキの子」だった。 
それを忘れてはならない。 
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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