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【毒舌独女】トイレの花菜様

私は何と醜いのだろう。

世間は広く、私の知らない事物は山ほどあるのに、それを棚に上げ、自分が知るコトだけ示し、それ知らない者を「無知」と嘲笑うとは、何と汚れた心の持ち主なのだ。

せっかく母が「綺麗な子になぁれ♪」と、私が胎内に居る時、せっせとトイレ掃除をしてくれたのに。

母さん、ごめん。こんな穢れた子になっちゃった。

意地悪な上に、感動の実話、植村花菜の名曲『トイレの神様』で泣けないの、私。


コレで「トイレ掃除をしたらベッピンさんになる」ってのは迷信だと判ったね。
あの歌で泣けるペッピンさんな心の持ち主になってみたかったよ、一度ぐらいは。

初めてこの曲を耳にした時は、今井美樹の『瞳がほほえむから』の替え歌だと思った。

サビのメロディラインが、ほぼ同じだもん。

なので、昨年末の紅白出場アーティスト発表まで、『瞳がほほえむから』の替え歌がヒットしていると思い込んでいた。

発表記者会見で、やっと、「替え歌に非ず」と判明。
植村花菜と、そのお祖母さんとの思い出を歌った曲とのコト。

そして、この曲は約10分という、ファンでなければ苦行のような長さとも判明。

それを植村花菜は、

カットするところが一言もない曲なので紅白でも一言も切らずに歌わせて
いただければと思います」

と、記者会見でのたまった。

おい、聴く方の身になってみろ

思い出は10分では語り尽くせないが、それを「聞かす」となると、
かなりの力量が必要になる。
オマエさんに、その力はあるのか?

さだまさし先生の10分と、小娘のオマエの10分は違うぞ!
心にダイレクトに届けられる、さだ先生の曲とタイマン張れるんだろうな!?

紅白を見る前に、本当にカットする言葉が無いのか、チェックしてみた。
私は言葉プロだ。好き・嫌いだけでは、判断はしない。良いものは、良いと言う。



ふ…。


どこから添削していいのやら判らない、ダメダメな作文だー!詩じゃない。

本人にとっては、どこも削れない思い出ばかりかも知れない。
しかし、削れない分、テーマが薄れてしまっている。


つまりは、自己満足の世界。
プロとしての、客観性が乏しい。

お祖母さんに教えてもらった、「トイレには綺麗な女神様が居て、トイレ掃除をしたら女神様みたいなベッピンさんになるんやで」のみ焦点を当て、詩を紡いだ方が、
より美しい作品になった筈だ。

不浄の場所、トイレに綺麗な女神様が居る、このギャップが面白いのに。
もったいない。

でも、感動の実話だからOK。
お祖母ちゃん、有難う!で全てクリア。


ケッ


私は、『感動の実話』ってヤツが嫌いだ。
最近のモノは、誰か必ず死ぬようになっているから。


ご多分に漏れず、『トイレの神様』も、死付き『感動の実話』
お祖母さんが亡くなる。

なぁ、死ってそんなに感動的なモノか?
命あるモノには必ず訪れる、自然の摂理だ。

それを妙な「感動モノ」にされると、逆にリアリティが無くなる。
身近である「死」が、遠い存在になってしまう。

現代人には、「生」の実感が乏しいとささやかれている。
だから、『感動の実話』に「死」を求めるのだろう。
「自分は生きている」と実感する為に

私が『トイレの神様』をダメダメな作文と評すのは、構成やテクニックの下手さは勿論の事、 「自分は生きている」臭がムンムンするからだ。

彼女が鎮魂歌を作るには、若過ぎた。「生」を謳歌する、20代で書き上げられる作品では無い。

もうちょっとオトナになってから、改めてお祖母さんとの思い出を振り返ってもらいたい。何度、練り直しても足りないテーマだ。

さて、大晦日の『第61回紅白歌合戦』、生放送で『トイレの神様』を聴いた。

サンポールがもうすぐ無くなるのを、思い出させてくれた
ありがとう。

旭堂花鱗

コラムニスト/コンテンツライター

広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。

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