【毒舌独女】バードカフェのおせちで腹痛
新年早々、世間をにぎわせている「バードカフェ」のおせち。
大ブーイングの嵐。
まぁ、「bird」って言葉には、英国スラングで「ブーイング」や「野次」って意味もあるみたいだから、
店名を決めた時点でこうなる運命だったんだよ。
さて、ブーイングの元になった、『バードカフェ・謹製おせち』を、ウエブにアップされた写真で見てみる。
目を疑った。
残飯のような料理を、あきらかに大き過ぎる重箱に盛り付け。
しかも、縁起の悪い四つ仕切り。
スッカスカの盛り付けなので、お重の底が見えている。
お皿に盛り付ける場合は、お皿と料理の空間も盛り付けの一つなので、一応スッカスカもアリ。
しかし、重箱は違う。
縁起物のおせちは、重箱の底が見えてはならない。
溢れんばかりにギッチリと詰めるのは、福がこれだけ詰まりますようにという願いからだ。
これを知らないなら、おせち料理を販売する資格は無い。
バードカフェを運営する会社は、㈱外食文化研究所という名前。
一体、何の研究をしていたのやら。
客を騙して、どんだけ利益を上げようかって研究ばかりしてたんじゃないの。
おせち料理の宅配は、お客様に福を届けるという気持ちが無くては成り立たない。
あ、Happyは届くようにと、8Pチーズが一つ入っていたね。
意味が理解出来た瞬間、大笑い。笑い過ぎて腹痛を起こしてしまった。
これは健康被害だ!横隔膜痙攣に呼吸困難だ!
私と同じ症状が起きた人は多い筈。集団訴訟するなら、声を掛けてね。
売る側も売る側だが、買う側も慎重さを欠いている。
共同購入型クーポンサイト『グルーポン』に掲載された写真と説明文だけで、
怪しさ満点。
通常、通販サイトに掲載されている商品の写真には、「画像はイメージです」の一文が添えられている。
「バードカフェ・謹製おせち」に、その一文は無い。第一の怪しいがコレ。
第二の怪しいは、料理内容説明に、どう考えてもおせち料理として間違っているモノが見受けられた点。
豊穣を願う縁起物「田作り」を「田舎作り」って、無知にも程がある。
他、「イクラの醤油煮」というものが記載されていたが、
ソレって、食べたいか?
イクラは火を通すと、あの独特のプチプチ食感は失われ、大きさも半分以下に。
鮮やかな色も褪せる。
「醤油漬け」の間違い。
注意深く広告を見ていれば、バードカフェはおせち料理のド素人だと判る。
でも、買ってしまう。
それが、グルーポンなどフラッシュマーケティングの恐ろしさだ。
カウントダウンスタート!だの、残りわずか!だのと謳い、利用者の冷静さを欠かせ、焦りを生じさせるフラッシュマーケティング。
人は制限を設けられると、その限られた中で判断を下さなければならないと思い込む。
決断の必要が無いにも関わらず。
加えて、パソコンからの光は、睡眠物質メラトニンを低下させ、本当は頭も体も疲れていても、何となく自分は元気だと錯覚させる作用がある。
これにフラッシュマーケティングを足すと、興奮物質ドーパミンの分泌が高まる。
「信頼していたのに、裏切られて、悔しくてたまりません!」
と言っても、冷静さを欠いた状態での「信頼」。
これを真の信頼と呼べるだろうか。
また、売り手の顔すらも判らないのに、信頼を置くなんて、常軌を逸している。
冷静さが失われている証拠だ。
インターネットショッピングは、利用者のまともな判断を奪うものだと認識するべき。
今まで散々な目に合ってきた私が言うんだ。信じろ!
具体例は悲しくなるので、割愛。
今回の騒動をきっかけに、おせち料理とは、伝統とは、を考えてくれる人が増えるよう願っている。
おせち料理は腹を満たすだけの料理じゃ無い。心も満たす料理だ。
それを無碍に扱った、バードカフェの罪は重い。
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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