毎日かあさん[映画レビュー]
たくましさと強さの裏に見え隠れする、ヒロイン西原理恵子の献身愛に涙……
– あらすじ –
人気漫画家・西原理恵子のベストセラーを小泉今日子&永瀬正敏で映画化した『毎日かあさん』。笑いと涙と人生がパンパンにつまった大感動作です。
常に締め切りを抱える漫画家の西原(小泉今日子)は、仕事しながら6才の長男と4才の長女を面倒見ながら毎日必死に生活している。そして元・戦場カメラマンの夫・鴨志田(永瀬正敏)は入院中。アルコール依存症の彼は、飲んで暴れて血を吐いてを繰り返している。でも子供たちは「おとしゃん」が大好き。何事にも体当たりの鴨志田は子供とも同じ目線で本気で遊ぶから。しかし、西原は鴨志田のアルコール依存の激しさについていけなくなってきて……。
ケンカしても、暴れても、離婚しても鴨志田さんを支えた西原さんの愛情の深さ、家族を愛しながらも、依存症との闘いに苦戦し続けた鴨志田さんの切なさ、家族愛&夫婦愛を描いた号泣映画です。
2011年2月5日より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
監督:小林聖太郎
出演:小泉今日子、永瀬正敏、古田新太、大森南朋ほか
かっこいいよ、豪快母さん!
西原理恵子さんといえば『毎日かあさん』。彼女の代表作でもあります。
その内容は、西原家の日常を切り取った実話漫画。
爆笑したあと、キュンとくる、なぜか切なさが押し寄せる……。
そんな西原ワールドはスクリーンでも健在。その魅力はやはりタイトルロールでもある、毎日かあさん=西原理恵子その人でしょう。
子供はかわいいけど、子育ては楽しいとは言いきれません。この映画に出てくる西原家の子供たちも、正直サル世代です(野性的という意味。特に男子!)仕事しながら、子育てはまあ大変。
でも西原ママは、打たれ強い! 締め切りに追われながらも、子供たちの要求を飲んだり、かわしたり、コントロールしたり……。それも自分流で。酒飲みながら絵本の読み聞かせ。かっこいいじゃありませんか!
アルコール依存症の夫への献身愛
しかし、アルコール依存症の夫・鴨志田氏には手こずります。
悪ガキがそのまま大人になったような自由人の鴨志田さん。
落ち着いているときは子供思いの楽しい人ですが、一度、飲み始めると家中メチャクチャにするほど大暴れ。
それはもう身の危険を感じるほど。別れを決意しても、仕方ないかもしれません。でも西原ママは、決して元夫の手を離さなかった。
ガンに倒れた彼と共に最後まで生きる決心をするのです。ロマンティックな愛の言葉をささやくわけではないけれど、その献身愛には胸が震えます。
女の人生、最大の喪失感と達成感!
鴨志田さんは医師から余命を告げられてしまい、最後は家族にみとられて天国へ。
「一度好きになった人は、なかなか嫌いになれない」と西原さんが言う通り、映画ではリアルに描かれていなかったけど、鴨志田さんの死で、彼女は人生最大の喪失感を味わったのでは。
……とスクリーンを見つめながら想像しました。でも同時に最愛の人を最後まで手離さず、看取ったという、最高の達成感もあったのでは?
やっぱり人生「やるだけのことはやった! 悔いはない!」と思いたい。それが好きな人のためなら、なおさら喜びになるのではないかと。
強い愛は家族をひとつにする! ひとつになった西原家を見て、もう涙が止まりませんでした。
夫婦愛への憧れ度★★★★☆
家族愛への号泣度★★★★★
小泉&永瀬の魅力度★★★★★
<劇場公開情報>
■タイトル:「毎日かあさん」
■原作:西原理恵子 「毎日かあさん」(毎日新聞連載・毎日新聞社刊)
■上映:2011年2月5日(土)全国ロードショー
■脚本:真辺克彦
■監督:小林聖太郎
■キャスト:小泉今日子(サイバラ リエコ役) 永瀬正敏(カモシダ ユタカ役)
矢部光祐(ブンジ役) 小西舞優(フミ役)
正司照枝 古田新太 大森南朋 田畑智子 光石研
鈴木砂羽 柴田理恵 北斗晶 安藤玉恵 遠山景織子
■製作:映画「毎日かあさん」製作委員会
■制作プロダクション:ツインズジャパン
■配給:松竹