【毒舌独女】人間、宇多田ヒカル
2010年一杯で「音楽活動」を休止し、
「人間活動」に専念する、宇多田ヒカル。
何やねん、それは?
まぁ、ニュアンスは伝わってくる。
若干15歳で鮮烈デビューし、以後12年間、日本の音楽シーンに金字塔をぶっ建てまくってきた分、普通の少女として生活は送られなかっただろう。
三十路を目前に、ちょっくら「普通」というものを味わってみたくなったのかな。
厳しいモンだけどね、「普通」ってヤツも。
彼女がラジオで語った活動休止理由は、
「40~50代になって、マネージャーなしで何にもできないおばさんとかになりたくなかった」
というモノ。
ねぇ、それって、朝丘雪路サマのコトですか?
良いじゃない。マネージャー以外に、お手伝いさんがロケに付いてきてたって。
浮世離れした生活が送られるのも、スターの特権よ。
宇多田ヒカルは40~50代になったって、今までの稼ぎで、十分、お手伝いさんを雇える。
仕事をしていなくたって、マネージャーも付けられる筈。
願えばいくらでも、朝丘雪路サマになれるのに。もったいない。
それでも、彼女は「人間活動」に専念したいと。
また、「親を知りたい」とも口にした。
確かに、不思議なご両親なので、冷静に観察してみたいわな。
お母上は、レコード大賞歌手の藤圭子。お父上は音楽プロデューサーの宇多田照實。
何度も離婚再婚を繰り返すコトで有名なご夫婦。
お父上は宇多田ヒカルの背後に常に立っている印象があるが、お母上の存在が見えない。
存在が見えたと思ったら、2007年にアメリカで大金を没収されていた。
日本円で約4900万円、ボストンバックに入れて、持ち歩いていたのね。
それを、麻薬犬に「薬物の臭いがするワン」と止められて、没収。
一応、2009年に差し押さえの根拠が見当たらないとして、全額返還された。
にしても、おかしい。
そんな大金、どっから降って沸いたんだ。
いくら『圭子の夢は夜ひらく』が大ヒットしたとて、現在、目立った歌手活動は一切していない。
それも、その筈。ここんトコ、世界中を飛び回っていた。遊びで。
5年で5億円を使ったとのコト。
ねぇねぇ、そのお金って、やっぱり、娘マネーですか?
金は人を狂わす。これじゃあ、宇多田ヒカルは安心して、制作活動に打ち込めない。
今までは、「ウチのママ、少し変かも」だったのが、三十路手前にして、やっと世間が見え始め、「ウチのママ、ヤベー」と判った感じかな。
それまでも、「ヤベー」とは思っていただろう。
けれど、宇多田照實と何度目か判らない離婚をした2007年から、藤圭子の奇行が目立ち始めた。
この年、宇多田ヒカルも離婚した。離婚の相談を、お父上だけにしたらしい。
仕事の話も、お父上と。私生活の話も、お父上と。何でもかんでも、お父上とヒカルだけ。
これじゃあ、お母上は拗ねちゃうね。
宇多田ヒカルの「人間活動」とは、「親孝行」なんじゃないかと、私は見ている。
特に、お母上への。
プロモーションの方針で、「藤圭子の娘」として居られなかった分、普通の「娘」に戻ろうとしているのでは。
今なら、まだ取り戻せるかも知れない、親子の絆。
アーティスト、モノ作りをしている人間なら、いつかは行き着く場所。戻る場所でもある。
それが、親、家族。
私もね、病気休業するまで、家族やら親兄弟のコトなんて、殆ど考えてなかったね。
病気で倒れてから、気付いた。ここが、スタート地点だったと。
まぁ、親孝行活動休止ってのは、私の憶測なので、本当のトコは、宇多田ヒカル本人にしか判らん。
でもね、私の希望なんだわ。
お母上を大事にしてあげて欲しい、ってのが。
いつまでも、あると思うな、親と金、ってヤツよ。
今からでも遅くない。思い出を沢山、作ってもらいたい。後悔する前に。
コラムニスト/コンテンツライター
広島県安芸郡出身、大阪府高槻市在住。恋愛記事から豆知識、果てはビジネス文書まで幅広く執筆するライター。古典芸能に携わっていた経験もあり、日本文化について少し詳しい。文芸春秋『週刊文春』に載せてもらえたのが人生の自慢。
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