歯磨きだけじゃない!キツイ「口臭」を消すには●●を増やそう
虫歯や口臭などの口の中の悩みを抱えている人は、その原因を歯磨き不足だと考えているかもしれません。「しっかり歯磨きをしているのに虫歯になりやすい」という人は口の中の唾液の量が少ないことが関係している可能性があります。
たとえ口の中の悩みがない人も、唾液の効果を知ればその重要性がわかります。
唾液のはたらきと役目とは
唾液には「口の中の粘膜を保護する」「食べ物を消化する」「消化液を出す」ばかりでなく、抗菌作用や殺菌作用もあります。唾液の分泌により、口の中の虫歯や歯周病、口臭の原因となる細菌は抑えられています。
唾液の働きをより分かりやすく知るために、pHを用いて説明します。酸やアルカリの度合いを表すに、使われるのがpH(ピーエッチ/ペーハー)と呼ばれる数値です。pHには0~14の目盛りがありpH7を中性とし、未満を酸性、大きければアルカリ性としています。
口の中は元々中性です。消化液や食べ物などの影響によって、口の中が酸性のままだと歯は溶けやすくなってしまいます。そのような口の中のpHを、中性に近づける役割が唾液にはあります。
それだけでなく唾液には、歯の表面や歯の間に付着した汚れや食べかすを洗い流す自浄作用もあります。そのため、歯磨きやデンタルケアを行うことはもちろん大切ですが、こうした数多くのはたらきを持つ唾液の分泌を増やすことも重要です。
なぜ唾液の分泌が減ってしまうのか
口の中の唾液の分泌が減ると、ドライマウスと呼ばれる病気を引き起こします。
唾液は自律神経の影響を受けているため、強いストレスを感じたり、過度に緊張することで口の中が乾くことがあります。
さらに、唾液を分泌する唾液腺はホルモンの影響を受けやすく、女性ホルモンが減少する更年期の女性にはドライマウスにならないための注意が必要です。また、加齢によって口や顎の筋力が低下すると唾液の分泌が減る傾向があります。
唾液を増やす方法について
唾液を増やす方法には、さまざまなものがあります。もっとも簡単にできるのは、梅干やレモンなどの酸っぱいものを食べる方法。しかし、実際に食べなくても味を想像するだけで効果があります。酸っぱいものを食べているところを想像すると、口の中は唾液でいっぱいになるはず。
また、口の中が乾かないよう水分を摂取することも忘れてはいけません。ジュースやコーヒーではなく、ミネラルウォーターなどの水分をとるよう心がけましょう。ジュースを飲むことで糖分のとりすぎになり、かえって悪影響になることも。
1日の水分量は1~1.2リットルを目安にしてください。こまめに水分補給を行うようにしましょう。
さらに、食べ物をよく噛むだけでも、唾液を増やすことにつながります。噛むことによって唾液線(だえきせん)が刺激されるためです。特に、昆布はおすすめ。昆布の中に含まれる「アルギン酸」には唾液の分泌量を高める効果があります。
睡眠時は唾液の分泌速度が落ちるため、寝る時は口を閉じて眠るようにする、マスクをつけて眠る、就寝前に水を飲むといった工夫をするようにしましょう。
唾液の分泌を促す体操もあります。舌を回すだけの簡単な体操です。唇は閉じたまま、口の中で舌を歯の外側にそって動かしましょう。右回し左回し同じ回数を行うようにしましょう。まずは、一日20回を目安に行うことをオススメします。また、口を閉じて舌先で頬の内側を押すだけでも効果が期待できますよ。
唾液の分泌を増やし、口の中の環境を良くすることで、虫歯や口臭などのトラブルを退けましょう。