気持ち悪い?!誰の顔にも必ずついている「顔ダニ」の実態とは?

「ダニ」と聞くと、多くの人が家のじゅうたんやカーペット、畳などに住み着いているダニを思い浮かべますよね。けれども今回のテーマに出てくる「顔ダニ」はこのようなダニとはまったく別の性質の、人の皮膚に寄生するダニのお話です。
この「顔ダニ」と肌トラブルの関係性について、東京警察病院形成外科の澤田彰史先生にお話を聞いてみました。
顔ダニ(ニキビダニ)とは
大きさは約0.1~0.4mmと非常に小さく、肉眼で見ることはできません。細長い形が特徴で、小さな爪と針状の口を持っています。
10日~2週間ほどで、卵から成虫になり、寿命は3か月。(約2週間から1か月程度という説もある)。角質層に卵を産み付け、3回ほど脱皮を繰り返して成虫になるといわれています。
毛穴の中の脂肪性の分泌物をエサとして、 人間の顔や頭などの皮脂分泌が活発な部分の皮膚に生息しています。
また、顔ダニは夜行性で、人間が眠っている間に皮脂腺や毛根部分から出てきて活動します。そして皮膚表面で死骸になったり、排泄物で肌を汚染します。
顔ダニは誰の顔にも存在するの?
「ニキビの膿みの中身を調べると、よごれた皮脂の中にいるのはニキビの原因菌である『アクネ菌』がほとんどを占めていますが、それだけではなく、真菌(カビの一種)である『マラセチア菌』もいますし、中には『ニキビダニ』というものも含まれています。
しかし、これらはいずれもめずらしい菌というわけではなく、日常的に身近にいて、私たちの皮膚にもいると思ってまちがいありません」(澤田先生)
なるほど。ほとんどの人は顔ダニを持っているんですね。清潔にしているつもりだったのに何だかショッキングなお話です……。
顔ダニは悪者ではない?
顔ダニは厄介なヤツなのかと聞かれれば、そうでもないようです。それどころか、顔ダニが顔面からいなくなってしまうと、顔の防衛力が損なわれてしまうのだそう。
「実は、顔ダニは、私たち人間の皮脂を餌として食べて、皮脂の分泌量をコントロール、そしてお肌を弱酸性状態に表皮を保ってくれるという働きがあるとも言われています。
顔ダニが完全にいなくなるようにするべく潔癖症になる必要はなく、顔ダニが増えすぎるようなことがないようにすることが大切です。
普段は悪さはしませんが、ストレスで免疫力が下がったり、乾燥して皮脂の分泌が過剰になったりしたときに、顔ダニが増殖してニキビの原因になるからです。」と澤田先生。
皮脂をエサとしているということは、皮脂が多ければ多いほど顔ダニが繁殖するということ。そして、この繁殖が肌トラブルを引き起こす原因になるのです。
顔ダニの排泄物や死骸は、顔から落ちることなく顔の上に蓄積されていきます。
こうした顔ダニのたくさんの死骸や排泄物が毛穴に詰まり、ニキビが発生してしまうという仕組みです。恐ろしい……。
顔ダニは除去できないの?
死骸や排泄物、増えすぎた顔ダニを毎日の洗顔で洗い流せば問題はないのですが、洗顔料を使用して丁寧に洗っても、毛穴の奥に潜んでしまうため、全体の20~30パーセント程度しか、顔ダニは洗い流せないのだそうです。
ですから、元々皮脂量の多い方は特に肌を清潔に保つことと、顔ダニが増えすぎないよう、皮脂の分泌を徹底して抑えるケアが必要です。
皮膚が乾燥していると、かえって皮脂の分泌が多くなってしまいます。顔ダニに負けないよう、きちんと保湿と清潔を心がけ、美肌を手に入れましょう。

澤田彰史(さわだ・あきふみ)
日本抗加齢(アンチエイジング)医学会専門医、東京警察病院医師。同院以外でも、美容外科・レーザー治療、ニキビ治療、皮膚腫瘍手術、寝たきり老人の訪問診療に至るまで幅広く医療に従事。テレビ「世界一受けたい授業!」をはじめ、新聞、雑誌など各メディアで活躍中。新著「ぐ~たらな私のはじめてのアンチエイジング」(総合法令出版・刊)も好評発売中。
※澤田彰史先生が3月20日(木)の日本テレビ「ヒルナンデス」にご出演されます。是非ご覧ください。
写真:Freedigitalphotos.net