SOMEWHERE[映画レビュー]
ソフィア・コッポラ監督が、ハリウッドセレブの父娘の素顔を爽やかに描く ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作!
– あらすじ –
『ロスト・イン・トランスレーション』でアカデミー賞脚本賞を受賞した人気監督ソフィア・コッポラの新作が登場。ハリウッドの伝説のホテル、シャトー・マーモントを舞台に、俳優の父とその娘の微妙な距離感を美しい映像で映し出した物語。第67回ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作です。
ハリウッドの映画スター、ジョニー(スティーヴン・ドーフ)は高級ホテルのシャトーマーモントで生活をするセレブ。そこに前妻との間にできた娘クレオ(エル・ファニング)が訪ねてくる。彼女との穏やかな時間は、孤独なジョニーの心にさわやかな風を運んできてくれた。そのクレオが、しばらくジョニーのもとに滞在することに…。
久しぶりに長い時間を過す父と娘の心の変化をていねいに積み重ね、セレブリティの私生活の空虚と孤独が心に染みわたっていく。いま女性人気№1の監督ソフィア・コッポラの個性が際立つハートウォーミングな作品です。
公開日:4月2日
監督:ソフィア・コッポラ
出演:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアスほか
父と娘の微妙な距離感に共感!
伝説のホテルで生活をするスター俳優のジョニー。モテモテの彼はパーティに明け暮れ、部屋にはダンサーをまねき、好き放題ができる生活。
でも、なぜか心は満たされない。そんなときにやってきたのが娘のクレオ。どんなスターでも「娘は最後の恋人」なのですね。
セクシーな女性との一夜よりも、充実し、幸せそうな笑顔のジョニー。年頃の娘でもあるクレオは、得意のアイススケートをパパに見せるけれど、ちょっと照れくさそうな様子。
ママと娘では出せない、この微妙な距離感! ジョニーが愛情オーラを出しているのとは少し違い、少々、照れた様子がクレオに感じられる。
父親とふたりで過す時間は母親と一緒のときとは微妙に違うものなのです。
パパのスターの一面を見ても動じない強い少女
娘を預けることになり、ジョニーは記者会見、取材、映画祭にも連れていきます。
ショービジネス界の中に入り、クレオは浮足立つかと思ったら、マイペースを崩さない。
ジョニーと、彼がお持ち帰りした女性(!?)と3人で朝食をするという状況でも動じないのだから、恐るべき少女!
スッピンで、まだまだピンクのフェミニンなドレスが似合うキュートなティーンだけれど、父親を静観する彼女を見ていると、スターの娘はこうして嫌でも、心が大人になってしまうのかと、ちょっと複雑な気持ちになるかもしれません。
この映画は「父と母、どちらがクレオを引き取るか」という生々し話は一切なく、親子で過すひとときを描いた物語です。
ジョニーとクレオは、幸せを実感すると同時に、いつかは別れる時が来る…という寂しさも痛感します。
最後はちょっとキュンとなること必至!
ソフィア・コッポラ自身が投影されたヒロイン像
また本作はソフィア・コッポラ自身が、フランシス・フォード・コッポラという名匠の娘という生れながらのセレブだからこそ作れた作品。
おそらくクレオのように、父とホテルで生活を共にして、父の映画関係の友人たちに囲まれ、身の回りの物すべてが一流という中で育ったのでしょう。
ジョニーの愛車フェラーリの使い方、高級ホテルでのクレアの自然な振る舞い、記者会見やパーティをちょっと斜め目線で皮肉っぽく切り取って見せるのも彼女ならでは。
父と娘の関係性の微妙な変化に心くすぐられ、セレブリティをとりまく一流の環境にちょっとウットリ。
まるでポストカードのような映像はもちろん、ロケ、衣装、小道具にいたるまで、彼女の美意識が堪能できる父と娘のストーリーは、爽やかさとスパイスのさじ加減な絶妙な作品です。
セレブ生活うっとり度★★★★★
父と娘の感動度★★★★
憧れファッション度★★★★★
<試写会プレゼント情報>
■参加条件:最新Topics10件の中からコメント投稿された方のみ 最新Topics10件
■応募方法:コメント投稿完了後、「試写会ご応募の送信フォーム」が表示されます
■試写会日時:2011年3月24日(木) 18:30開場 19:00開映
■場所:九段会館(千代田区九段南1-6-5)
■当選者数:5組10様分(抽選にて)
※発表は試写会招待状チケットの発送をもってかえさせて頂きます
■締め切り:残念ながら、開催中止となりました。
■お問い合わせ:東京女スタイル試写会プレゼント係(info@sucmedia.co.jp)
<劇場公開情報>
■タイトル:「SOMEWHERE」
■上映:2011年4月2日(土)より新宿ピカデリー他にて全国公開
■出演:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアスほか
■監督:ソフィア・コッポラ
■公式サイト:SOMEWHERE
■著作表記:(c) 2010 – Somewhere LLC